登山基本技術 山の歩き方~疲労を和らげる工夫~


 

登りの歩き方

 

 

 

初心者の方は、とかくペースが速くなりがちですが、街や平地で普段歩く速度の半分のスピードで歩くことを心掛けましょう。

 

前かがみになりすぎないよう背筋を伸ばすイメージで歩きましょう。

 

急な登りのときは、前に踏み出した足に重心を移すとき、膝を曲げたまま次の足を踏み出すと疲れやすくなります。膝は伸ばすよう心掛けましょう。

 

 

 

歩くペースが速くなると、心拍数が上がり、乳酸値が増加し疲労がたまってきます。

 

一般にバテずに長時間歩ける人の心拍数の目安は、年齢に応じて以下の式で求められます。

 

      疲労しない目標心拍数=(220-年齢)×75

 

   この式から、例えば60歳の方は、1分間に120の心拍数程度で歩けば、バテずに長時間歩けるということになります。これを目安にご自身の歩くスピードをチェックしてみてください。

 

 

 

 

 

下りの歩き方

 

  

 

下りでは登りほど心拍数は上がらないので楽に感じますが、筋力が必要になります。よく下りで膝にくる、膝が笑うなどと言われますが、これは、脚筋力の低下(伸張性収縮の反復運動)と強い着地衝撃(登りの2倍、体重の2倍)により、大腿四頭筋が体重を支えきれなくなる現象です。

 

  急な下りは、ゆっくり、小股で歩幅を狭くして歩くことを意識しましょう。

 

  腰が後ろに引けないよう、多少前かがみになるイメージで歩くようにしてみてください。

 

  踏み出した足を、ドスンと落すと着地の衝撃が大きくなるので、ゆっくりと膝で衝撃を吸収するように歩きます。

 

 下りでは、ストックを利用することにより衝撃を和らげてくれますので、登りで使用するより有用です。

 

 

 

 

 

 

 

リュックの背負い方

 

 

 

リュックサック(ザック、バックパック)の背負い方ひとつでも、疲れない工夫が可能です。

 

リュックの背面と身体にすき間なくフィットしているかを確認しながら、ショルダーハーネス、ヒップベルトを調節していきましょう。

 

疲れないために重要なのは、背負うリュックの高さにあります。

ショルダーベルトの上部と下部にあるストラップを調整して、リュックの底の高さが、お尻の上にくるようにするのがコツです。

リュックの底が、お尻の下まで垂下っている方をたまに見かけますが、これは長時間リュックを背負っていると、肩も痛くなり、疲れやすくなります。

 

リュックを背負った時にもう一度チェックしてみてください。

 

 

 

 

 

栄養補給について

 

 

 

登山のような有酸素運動では、体内の脂肪を燃やしてエネルギーを生み出していきます。

脂肪を燃焼させるには炭水化物が必要になります。そのため登山では炭水化物を定期的に補給することが重要になってきます。

 

シャリバテという言葉があるように、食べないと筋肉への疲労が起きるばかりではなく、脳や内臓への負担もかかってきます。

 

行動中に補給が最低でも必要なエネルギー量は、以下の式で簡易的に求められます。

 

        必要補給量=体重×時間×6cal×1/2  (ご飯1杯約250cal

 

例えば体重60㎏の方が5時間登ると最低でも900cal摂取する必要があり、これはご飯4杯弱に相当します。

 

意外と多いことがわかります。

 

上記の必要補給量を目安として、行動食を持参するようにしてください。

 

補給の仕方は、こまめに摂取していくことが疲れにくくするポイントです。

お昼を頂上でまとめて食べる方を多いのですが、登山では少なくても1時間ごとに、少しずつ食べていくのが良いと思います。

 

疲労すると食欲がなくなり、あまり食べない方を見掛けますが、上手に食べることも登山の大切な技術です。

 

 

 

 

 

水分補給について

 

 

 

水はどのくらい持参すればよいでしょうか。

 

水分補給量も簡易的に以下の式で求められます。

 

水分補給量=(脱水量=体重×時間×5ml)-(10×体重)

 

例えば体重60㎏の方が5時間行動した場合、900mlとなります。約1ℓのペットボトルに相当します。

 

飲み物は、水やお茶、ジュースなどの飲みやすいものでよいのですが、長時間歩くときや気温が高い時は、合わせて塩分の補給も必要になりますので、スポーツドリンクがお勧めです。

 

水分の補給の仕方も、食事と同様にこまめに摂取することが大事で、行動を始める前に飲水しておくこともよいでしょう。