南アルプスエリア(北部)


入笠山 登山 ガイド

入笠山(にゅうかさやま、にゅうがさやま)

南アルプスの北部にある標高1,955mの山。

南アルプス国立公園には含まれないが、南アルプスユネスコエコパークや南アルプスジオパークに登録されている。また、入笠山の周辺にあるスズランで有名な入笠湿原は、長野県の自然環境保全地域に指定されている。

富士見パノラマスキー場のゴンドラ山頂駅からだと、約1時間ほどで山頂に立てる。登山コースとしては、沢入登山口からのコースが一般的で、山頂まで約90分ほど。

山頂は、ほぼ360度の大展望が広がり、南アルプス、中央アルプス、八ヶ岳、富士山、北アルプスまで望める。周辺の大河原湿原や入笠湿原では、様々な湿原植物などの観察ができる。

山の北東側斜面は富士見パノアラマスキー場、西側には牧場が広がり、付近にはJAXAの観測所などもある。入笠湿原付近には、「山彦荘」、「マナスル山荘」などの山小屋がある。

 

アクセス:富士見パノアラマスキー場まで、中央自動車道南諏訪ICから約10分。JR中央線「すずらんの里駅」「富士見駅」からタクシーで約10分。「富士見駅」とスキー場間は、シャトルバスが運行している。

また、沢入登山口(駐車場・トイレ有り)から入笠花畑までの区間は、4月~11月まではマイカー規制が実施されている。

 


雨乞岳 山梨百名山
日向山からのぞむ雨乞岳

雨乞岳(あまごいだけ)

南アルプスの北部にある標高2,037mの山。

山梨百名山のひとつ。

山頂からは南アルプスや富士山などを眺めることができる。

コースは2つあり、近年整備されたヴィレッジ白州(平久保口)からは登り約3時間、石尊神社口からはロングコースで登り約5時間掛かる。

途中に山小屋などはない。

 

 

 

アクセス:両登山口まで中央自動車道小淵沢ICから約30分(林道は冬期閉鎖)。路線バスなどはなく、中央本線小淵沢駅よりタクシー利用。

 


日向山 登山 ガイド

日向山(ひなたやま)

南アルプスの北部に位置し、甲斐駒ヶ岳から鋸岳の稜線から派生する八丁尾根上にある標高1,660mの山。

日向山山頂の雁ヶ原は、まるでビーチのような白砂が広がっているのが有名で、オブジェのように林立する風化した花崗岩が美しい景観をつくっている。山頂からは、八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳の雄姿が見られる。

日向山は、南アルプス国立公園には含まれないが、県立巨摩自然公園内にあり、また南アルプスユネスコエコパーク内にある。

コースは、矢立石登山口から往復するルートで、山頂まで登りで約90分ほど。その他のルートは立入禁止となっている。矢田石登山口の駐車場は狭く、尾白川渓谷駐車場からプラス50分ほどかけて歩くことが推奨されている。

山小屋などはない。

 

アクセス:中央自動車道小淵沢ICから尾白川渓谷駐車場まで約30分。矢立石登山口までは、林道を経由してプラス10分(林道は冬期閉鎖)。路線バスなどはなく、中央本線小淵沢駅よりタクシー利用

  


鞍掛山 登山 ガイド

鞍掛山(くらかけやま)

南アルプスの北部に位置し、甲斐駒ヶ岳から鋸岳の稜線から派生する八丁尾根の途中にある標高2,037mの山。鞍掛山の山頂は八丁尾根から浮島のように少し離れており、尾根から一端下り、登り返すと山頂があるが展望はない。さらに先へ進むと花崗岩の白砂の展望台があり、ここから甲斐駒ヶ岳の雄姿を望むことができる。

登山道は、上記の日向山と同様で、日向山山頂から雁ヶ原を経て、さらに2時間半ほど登り、鞍掛分岐を折れて40分ほどの急登が待っている。難易度も日向山のワンランク上になる。

途中に山小屋などはないため、長丁場となるが、日帰り可能。

鞍掛山の岩場には、クモイコザクラが生育しており、5月頃には可憐な花をつける。

 

アクセス:中央自動車道小淵沢ICから尾白川渓谷駐車場まで約30分。矢立石登山口までは、林道を経由してプラス10分(林道は冬期閉鎖)。路線バスなどはなく、中央本線小淵沢駅よりタクシー利用。

 


甲斐駒ヶ岳 登山 ガイド

甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)

南アルプスの北部でひと際峻険な山容を見せる標高2,967mの山。日本百名山

南アルプスには珍しく、鳳凰山と同様に花崗岩からなり、白く見える山容が美しい。

全国には数々の「駒ヶ岳」という山があるが、その中では最高峰。

コースは長野側の北沢峠から登るルートと山梨県側から登るルートがある。北沢峠からのルートのほうが難易度は低い。北沢峠から駒津峰を経由して山頂へ至るコースと、仙水峠を経由するコースがあり、何れも山頂まで四時間30分ほど。一方山梨県側からのルートは、黒戸尾根を辿る日本三大急登のひとつで、標高差も2,000m以上あり、五合目より上部は梯子や鎖場が連続する上級者向きのコース。登山口は尾白川渓谷のある竹宇駒ヶ岳神社と横手駒ケ岳神社の2箇所あり、いずれも山頂まで10時間ほど掛かるので、最低1泊は必要。

山小屋は、北沢峠付近には長衛小屋、太平山荘、こもれび山荘、仙水峠経由のコース途上に仙水小屋、黒戸尾根の七合目には七丈小屋がある。

 

アクセス:黒戸尾根ルートの登山口のひとつ、尾白川渓谷駐車場(無料100台)までは、車で中央自動車道小淵沢ICより約30分。 北沢峠へのアプローチは、一般車両は通行不可のため、山梨県南アルプス市から又は長野県伊那市からバスを利用する。

※2021,5現在、北沢峠への山梨側からのアクセスは不可、伊那側からは歌宿までバスが運行、歌宿から北沢峠まで歩いて約2時間。

 


甲斐駒ヶ岳 登山 ガイド

仙丈ヶ岳(せんじょうがたけ)

南アルプスの北部にある標高3,033mの山。日本百名山。

相対する男性的な山容の甲斐駒ヶ岳と対比し、穏やかな山容が女性的と表現される。3つのカール地形に囲まれ、その内の藪沢カールは立山、穂高岳と並び3大カールに数えられている。

登山コースは複数あり主なものとしては、北沢峠から五合目の大滝ノ頭で分岐し、馬の瀬ヒュッテを経由するコースと小仙丈ケ岳を経由するコースに分かれる。何れも山頂まで4時間30分ほど。大平山荘からのコースは沢筋をとおり馬の背ヒュッテを経由して山頂に至り約4時間。南アルプス林道の途中から丹渓新道を登るコースは山頂まで約5時間30分ほど。何れのコースとも鎖場などはなく、また、高山植物も豊富なことから南アルプスの入門コースと言われている。

山小屋は、北沢峠付近には長衛小屋、太平山荘、こもれび山荘があり、コース途中に馬の背ヒュッテと仙丈小屋がある。

 

アクセス:北沢峠へのアプローチは、一般車両は通行不可のため、山梨県南アルプス市(芦安)から又は長野県伊那市からバスを利用する。

※2021,5現在、山梨側からのアクセスは不可、伊那側からは歌宿までバスが運行、歌宿から北沢峠まで歩いて約2時間。

 


鳳凰山 登山 ガイド
地蔵ヶ岳のオベリスク

鳳凰山(ほうおうざん)

南アルプスの北部にある地蔵ヶ岳、観音ヶ岳、薬師ヶ岳の総称。この3つの山を鳳凰三山という。最高峰は観音ヶ岳で標高2,840m。

日本百名山

南アルプスには珍しく、甲斐駒ヶ岳と並び花崗岩からなる、山頂付近の白砂が美しい山。

特徴的なのは、地蔵ヶ岳山頂のオベリスクと呼ばれる尖塔は、遠くからでもそれとわかり、砂浜のような山頂に立つ様子は一見の価値がある。

コースは地蔵ヶ岳に登るのであれば、御座石鉱泉からと青木鉱泉からのコースが近い。近いと言っても山頂までいずれも約7時間ほど掛かるので、途中の鳳凰小屋に一泊して登るのが一般的。青木鉱泉からは急登で、御座石からのほうが登りやすい。一方薬師ヶ岳のほうは、夜叉神峠から山頂まで同じく7時間程度で、途中に南御室小屋がある。地蔵ヶ岳から観音ヶ岳を経て薬師ヶ岳の縦走は1時間半程度の所要時間。

 

アクセス:御座石鉱泉にある駐車場(無料40台)までは、車で中央自動車道韮崎ICより約40分。 

 


北岳 登山 ガイド

北岳(きただけ)

北岳は、富士山に次ぐ日本で2番目の高峰で、標高3,193m。日本百名山

隣の日本で3番目の高峰である間ノ岳とその隣の農鳥岳と合わせて「白峰三山」と呼ばれる。

北岳固有種のキタダケソウをはじめ、高山植物の宝庫で、多くの固有種や希少種を育む。

登山コースは、主に広河原から尾根道を行く草すべりコース、沢筋を行く大樺沢二俣から右俣コース、二俣から八本歯ノコルを経由する左俣コースがある。

何れも山頂まで約6時間。左俣コースは、7月終わりまでは雪渓が残りアイゼンが必要となる。

山小屋は、登山口になる広河原山荘、草すべりの手前にある白根御池小屋、山頂北側直下にある北岳肩ノ小屋、山頂南側には北岳と中白根山の鞍部にある北岳山荘がある。

 

アクセス:広河原までの林道はマイカー規制があるため、一般的には芦安の駐車場から運行しているバスを利用(約60分)する。芦安駐車場までは、電車の場合、甲府駅から路線バスで約60分、車では中部横断自動車道白根ICから約40分。芦安駐車場(無料600台)。