山小屋泊に必要な装備


山小屋 登山 ガイド
黒百合ヒュッテ

山小屋泊装備の考え方


山小屋泊でも、登山の装備は一般の日帰り登山のときの装備がベースになる。

⇒「登山の基本装備」を参照

 

また、初めて山小屋に泊まるときは、まずはホテルや旅館とは違うルールやマナーを心得ておく必要がある。

⇒「山小屋泊りの心得」を参照

 

山小屋に泊まるときの持ち物を考えるときは、一般の宿泊施設にはあるものが山小屋ではなかったり、出来るだけ荷物は軽量化したほうがよかったり、山小屋特有の必需品もあったりということで、一般の宿泊施設に泊まるときに持っていくものから、足したり引いたり、工夫したりする必要がある。

 

山小屋に泊まるということは、複数日間山で行動するということなので、以下の点に沿って考えてみよう。

   日帰り登山での装備や持ち物の量を増やすことが必要になるもの

   日数が増えることによって新たに必要になるもの

   小屋に泊まることによる+アルファで必要になるもの

 

以下、持ち物の左端の印は、必需品◎ 必要〇 あれば便利△ を表す。


日帰り登山より量を増やすもの


〇着替え    

翌日のためのベースレーヤーや靴下などの着替え。

荷物に余裕があれば、ミドルウェアやパンツの着替え。

これらは、山小屋内で過ごすときの着替えとして併用してよい。

山小屋内で過ごす部屋着や寝るときには着替えなくてもよいが、昼間の汗や汚れが気になるときは、予備として持参したミドルウェアやパンツに着替えよう。

荷物に余裕があれば、Tシャツやスエットなどを持参してもよい。

 

〇タオル

日帰りの時も1枚は持参するが、翌日の使用分として、また洗面用としても2枚くらいは持参したい。

 

◎行動食

複数日分の行動食を用意する。

 


複数日になることにより必要になるもの


〇モバイルバッテリー(携帯電話の予備充電器)

複数日間行動することを考えると、携帯電話のバッテリーがもたないことも想定される。

 

山小屋で充電できる場合もあるが、山小屋の貴重な電力を少しでも節約するため、モバイルバッテリーは持参したい。

 


宿泊することにより必要になるもの


〇ティッシュ・トイレットペーパー

日帰り登山でも必要だが、山小屋のトイレに紙がない場合も想定して、持参したほうが良い。

 

〇ウエットティッシュ(ボディーシート・汗拭きシート)

山小屋では通常入浴はできないので、体の汗や汚れを拭くために、特に夏にはあった方が良い。

 

△洗面用具 

通常の宿泊時のものでよいが、山小屋では歯磨き粉は使用不可となるので注意したい。

 

△ショルダーバック・ウエストポーチ

山小屋内で過ごすときに、持ち運びできる小物を入れるものがあると便利。

 

〇ビニール袋(防水用のスタッフバック)

ゴミや濡れたものを入れる袋。スーパーのレジ袋は山小屋の中ではカサカサ音が他人の迷惑になるので、スタッフバックの方が良い。

 

△耳栓

大部屋などの相部屋の場合が多いので、これがあると快眠できる。

 

◎ヘッドランプ  

日帰り登山でも必携であるが、小屋泊りでは消灯後は暗闇に閉ざされる。消灯後にトイレに行くときや朝まだ暗いうちに起床するときなどには絶対に必要となる。ヘッドランプは日帰り登山のときはもしものためだが、小屋泊まりでは自ずと使用頻度は増える。

 

こうして挙げてみると、日帰り登山でも必要なものばかりで、山小屋に泊まるために買い揃えなければならないものはそう多くはない。

 

また、山小屋1泊であれば、リュックのサイズは35~40ℓくらいが目安で、このサイズに収まるよう軽量化に努めよう。


NEW!  感染症予防策としての新たな装備・持ち物

日帰り登山でも必要となる、マスク(バフ等)、アルコールジェル、ジップロック(ゴミ袋)に加え以下のものを考慮する。

洗面バック(洗面用品をまとめて入れられるポーチ等)

寝袋(山小屋では感染症対策として、寝具に対する様々な配慮を行っているが、心配な方は寝袋を持参。また山小屋によっては、インナーシーツや寝袋持参が必須の場合もあるので、山小屋のWEBサイトを確認しておく必要がある。)

※詳細はこちらを参照「新しい登山様式」