山小屋泊りの心得


山小屋について


 

 

 日帰り登山の計画を立てていると、時には1日では行けない山もでてくるもの。その点、山小屋を利用すれば行動範囲も広がり、日帰りでは無理でも、2日掛ければそれを可能にしてくれる。行ける山もグッと増えてくる。無理をすれば日帰りでも行けそうかなと思っても、長時間の行動は余裕もなくなり、事故の原因となることも。ゆっくりと行動でき、余裕を持った計画を立てるなら、是非山小屋泊りも検討してみたい。

 

 

 

 山小屋は、街や山麓の宿泊施設では当たり前のことが、そうでないことも多々ある。最初は戸惑いや不安を感じることもあるかもしれないが、事前に知っておけば、それに対応した準備ができる。

 

 山小屋には、山小屋特有のルールやマナーがあり、山小屋によってもその小屋ならではの特徴もあるので、山小屋に泊まるときは、事前にルールやマナーはもちろん、山小屋のホームページなどで情報を確認しておくようにしよう。

 

 

 

 山小屋では水や電気は貴重品。他人と一つ屋根の下で過ごすので他人への気配りが大切となる。また自然の中にあるので、自然環境への配慮も必要になってくる。山小屋を支えている多く人たちへの感謝の気持ちを忘れずに、山小屋ライフを楽しみましょう。

 

  

 


山小屋のルール


 

 山小屋には様々なルールがあるので、事前に知っておこう。

 

山小屋の予約

 山小屋には、緊急避難、人命救助の役割もあるので、予約なしでも泊めてくれるところが多いが、それは突然山小屋に泊まることになってしまった場合のことで、基本的には山小屋に迷惑がかかるので宿泊予約をしておくこと。但し、山小屋の中には予約不要のところもある。

また、最近は個室のある山小屋もあるが、基本は相部屋になると思っていた方がよい。夏期の混雑時には、布団一組分のスペースに、二人割り当てられることもあるので事前に心得ておこう。

※夏期に営業していても、冬季は閉鎖するところが多い。特に稜線上にある山小屋は営業していないことがほとんど。また、夏期は予約不要でも、冬季は要予約のところも。事前に営業期間をチェックしておこう。

 

早着・早出の心得

 山小屋には15時頃には到着するよう計画を立てよう。都合により到着が遅れたり、行けなくなったりする場合は必ず、連絡をいれるようにする。山小屋によっては遅く到着すると、戒められることも。

朝も早く出発することを心掛けよう。午前6時~7時位までに小屋を出発するのが一般的。

 

受付・支払い

 小屋に到着したら、まずは受付を済ませる。料金は現金のみで受付時に支払うのが一般的。受付では食事の時間を指定されるか、希望を選択するケースがほとんで、通常夕食は、1718時頃、朝食は5時~6時頃が多い。部屋は個室の予約をしていない限り、大部屋で見知らぬ人といっしょの部屋になることがほとんど。

 

受付後部屋へ

 靴置き場は、玄関に靴箱があるか、各部屋の前に靴置き場があったり、山小屋によって様々。靴箱には大勢の登山靴が並び、同じ登山靴の方もいるので、自分の靴の位置はしっかりと覚え、間違えられないように、予めリボンや洗濯ばさみ、名札などの目印になるものを用意しておこう。荷物は部屋に持込む場合と、部屋の前に置くように指示される場合がある。また、ストックなどは部屋に持ち込まず、部屋の前や玄関に置くよう指示されるっこともあり、小屋によって様々なので、その小屋のルールに従おう。

※冬季はアイゼンやピッケルなどの危険な金物類もあり、こちらもどこに置くか小屋の指示に従おう。

 

トイレ事情

 山小屋のトイレは、水洗式のものだけではなく、水が貴重な山小屋などでは、バイオ式トイレや汲み取り式など様々。使用済のトイレットペーパーもそのまま流していいのか、ごみ箱に捨てるのか、持ち帰りになるのか、事前に確認してから利用しよう。山ではトイレの使用料金を払うのが一般的で、トイレの前に、お金を入れるボックスが用意されているので、いつも小銭を用意しておくと安心。宿泊する場合は、宿泊料金にトイレ使用料が含まれている場合が多く、その場合は自由に使用できる。

 

小屋内での行動

 相部屋では荷物は広げず、なるべくコンパクトに自分のスペース内で荷物の整理整頓をする。翌日の荷物の準備は、前日の内に済ませておく。

ヘッドライトや飲み物など必要なもの以外はバックの中へ。消灯後暗くなってから慌てずに済むよう、ヘッドライトを予め首にかけておくか、持ち歩きようの小物入れに入れておくと便利。

 

食事時

食事は、残さず全部食べるが基本。苦労して食材を運び上げ、貴重な水光熱費を使用して料理したものなので、粗末にしないというのがルール。

配膳方法は、近くの人同士でセルフでよそったり、バイキング形式で取りきいくなど山小屋によって様々。片付け方法も、山小屋によって違うので指示に従おう。

※混雑した最盛期の山小屋では、食堂に入る人数が限られるためグループ分けして何回かで交代で食べることもめずらしくない。順番が控えているので、食べ終わったらすみやかに退散する。

※自炊場合の場合、自炊のスペースが決められており、山小屋ごとに火の取り扱いや水の利用などルールがあるので注意しよう。

 

 

水の利用

 水場や飲料水については、山小屋ごとにルールがあるので到着したらその利用方法について確認する。基本的に、山小屋に宿泊の方には、飲料水は無料で提供される場合が多いが、稜線の山小屋など、水が貴重なところでは宿泊者でも有料な場合もある。

お湯やお茶についても、有料な場合や、無料の場合など様々。

山では水は貴重品。最近はお風呂のある山小屋もあるが、基本的には風呂もシャワーもないのが一般的。

※冬季は水道が凍結して使えないのが一般的。タンクに貯めた水を使用することになるの、水はより貴重なものとなる。

 

ゴミの処理

 山小屋では個人で出したゴミは持ちかえるのが基本。但し、山小屋の売店で買ったもののゴミは、小屋で受け取ってくれる場合もある。

 

 

就寝・消灯

山小屋の消灯時間は夜9時頃のところが多い。消灯時間と同時に、すべての電気が消えて真っ暗になるので、枕元には夜中のトイレのために、ヘッドライトを置いておく。

なお、消灯時間前でも、翌朝早朝からの登山のために寝ている方も多く、話をする場合は、談話室などへ行き、周りの人に配慮する。寝るときは、耳栓やアイマスクがあると役に立つ。

 

 

起床

山小屋の朝は早い。夏季は、4時ころから起き出す人もいる。朝食も5時~6時とうのが一般的。

使用した布団は出発前に畳んでおく。

 

 

 


山小屋でのマナー


 

街や山麓の常識は、山小屋では非常識になることもある。次の点は、山小屋に宿泊するときのマナーとして心得ておいてほしい。

 

・小屋に入る前に、熊鈴などは音が鳴らないようにする。 小屋では部屋で休んでいる人もいるので、モノ音には気配りをしよう。

 

・同様に部屋で荷物の整理などをするようなときに、スーパーのビニール袋は、ガサガサと大きな音がなり、周りの人に迷惑となる。

 

スタッフバックなど、音の出にくい袋を利用する。

 

・雨のときのレインウエアなど、濡れたまま玄関へ上がらない。外でしっかり水気や汚れを落とし、濡れたものを乾かすための乾燥室があるので、受付時に場所を確認する。

 

・部屋では、大きな声で喋ったり、騒いだりしないこと。疲れて休んでいる人もいるため、気配りを忘れずに。

 

・翌日の準備、パッキングは、朝出発前にするのではなく、前日に次の日の準備はすべて済ませておく。明け方にガサガサ音を立てて準備するのは他の人の迷惑となる。

 

・ヘッドライトを使用するときは人の顔に直接照らさないよう注意する。

 

・食事時は、食べ終わったら速やかに食器を片付け退出する。

 

・自然環境への配慮から、山小屋では石けんや歯磨き粉は使用しない。歯磨きはブラッシングのみ、手洗いはウェットティッシュなどで代用しよう。