登山とは、重い荷物を背負い、長時間にわたって坂道を上り下りする特殊な運動。このような登山に必要な体力を身につけるためにはどのようなトレーニングを行えばよいのか。
ウォーキングは下界で最もよく行われているトレーンニングだが、単に平坦な道を歩くだけでは登山にあまり役にたたない。登山は坂道を長時間上り下りする運動であるため、ウオーキングでは負荷が小さすぎるのだ。
『登山の運動生理学とトレーニング学』(山本正嘉著)によると、「登山のために最もよいトレーニングとは登山そのものである。」とされ、登山を主としたトレーニング、下界でのトレーニングを従と位置付けることを提唱されている。
その中でも、「低山を利用したトレーニングは特に効果が高い」とされ、低山に登るときも歩く速度を少し早めたり、荷の重さを少し重くするなど普段より少し負荷を掛ける工夫を加えるとより効果が上がる。
山に行く回数は 月に2回くらいを目標とし、継続的に山に出掛けることが登山体力をつける近道のようだ。大きな山に年に2-3回行かれる方よりも、低山に月に2-3回行かれる方の方が登山体力はずっと上だといえそうだ。
「行きたい山と行ける山は違う」と言われるが、行きたい山といった明確な目標があれば、それに向かってモチベーションも高まり持続性が維持できるはず。大きな山に登りたい方、雪山を目指される方などは、多くの低山に登られることをおすすめする。
低山に毎週のように登っているのに、体力がなかなかつかないという方も多いことだろう、体力づくりに効果的な山の登り方として、いつもより負荷を掛ける登り方をおすすめしたい。
■マイペースで登らない。
毎回ゆっくりマイペースで登っているだけでは、なかなか体力はついてこない。コースタイムを意識して、いつもより早いペースで歩くことも時には心掛けてみることが必要だ。
■荷物を重くする。
低山であれば、時にはあえて少し荷物を重くして登ってみることも体力づくりには必要だ。いつもより負荷を掛けることで徐々に登山のための筋力が養われていく。
■歩く時間を増やしていく。
1-2時間の登りの低山ばかりでは、登れる体力に限界ができてしまう。大きい山を目指すなら、徐々に登り時間を3時間、4時間と増やしていくことを心掛けよう。少しずつ時間を増やしていくことで知らず知らずのうちに持久力が養われていくことだろう。
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