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南八ヶ岳縦走路 硫黄岳~赤岳

南八ヶ岳縦走路コース

鎖と梯子が連続する稜線へ

八ヶ岳縦走 ガイド
横岳付近から赤岳をのぞむ

八ヶ岳の主稜線をとおる南八ヶ岳の縦走路、硫黄岳~赤岳の登山コースを紹介します。岩場の道で梯子や鎖場が連続する八ヶ岳の登山道の中でも最も険しいコースのひとつです。今回は赤岳鉱泉~硫黄岳~横岳~赤岳~行者小屋までののコースを紹介します。

赤岳鉱泉までの北沢コースについてはこちら

赤岳鉱泉~硫黄岳

八ヶ岳縦走 登山 ガイド
赤岳鉱泉から階段状に登っていく道を進む。

赤岳鉱泉からは正面口の前を通って行者小屋へ向かう道と山の斜面を登っていく道とに分かれます。硫黄岳方面へ階段状の道を登っていきます。

硫黄岳への道 ガイド
沢を何度か渡る

緩やかな道を進んで行くと、3回ほど沢を渡ります。ジョウゴ沢を渡ると、次第に傾斜が急になっていきます。

八ヶ岳縦走 登山 ガイド

樹林帯の中の道はさらに傾斜を増し、尾根上のジグザグの道を登るようになります。

硫黄岳 登山 ガイド
草原のような斜面を左手に見ながら登っていく。

しばらく登っていくと、右側はジョウゴ沢に落ち込む急斜面で樹林の間から横岳の稜線が見えてきます。

 

硫黄岳 登山 ガイド

次第に樹林の背も低くなり、ハイマツが出てきたらいよいよ森林限界へと出ます。

硫黄岳 登山 ガイド

ザレた急坂を上っていくと見晴しのよい「赤岩の頭」という分岐点にでます。

 

硫黄岳 登山 ガイド
赤岩の頭から硫黄岳方面をのぞむ。

ここは十字路で、峰の松目に向かう道とオーレン小屋に下る道、そして今回進む硫黄岳山頂への登り道とに分かれています。

展望もよくひと休みするのにいい場所です。

硫黄岳 登山 ガイド

ザレた道をジグザグに上がって行くと、次第に岩場の道になっていきます。

左手には天狗岳、右手には横岳~赤岳の稜線が見えています。

硫黄岳 登山 ガイド

最後は岩場を登り、硫黄岳山頂に到着です。

赤岳鉱泉から硫黄岳までコースタイムで2時間余り。

硫黄岳 登山 ガイド
硫黄岳山頂

硫黄岳山頂は三差路になっていて、夏沢峠に下る道と硫黄岳山荘へと下る道に分かれます。

今回は、硫黄岳山荘、横岳方面へと進みます。

山頂は広く、視界が悪いと方向が分からなくなることもあるので道標をよく見て進みましょう。また、山頂には爆裂火口跡と言われる絶壁が口を開けており近づかないよう注意も必要です。

 

夏沢峠からの硫黄岳へのコースはこちら

 

八ヶ岳縦走 登山 ガイド
硫黄岳山頂からは天気がよければ南八ヶ岳の素晴らしい稜線の展望がひらけます。

硫黄岳~横岳

八ヶ岳 縦走路 ガイド
これから進む赤岳への稜線が見える。

硫黄岳山頂から八ヶ岳縦走路を歩くことになります。

山頂から東側に付けられたロープの間の道を下ります。

下る道にはケルンが並んでいるので視界が悪い時も目印になります。

 

 

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
硫黄岳山荘

下った先の平らな鞍部の右側には硫黄岳山荘があります。この周辺はコマクサやウルップソウが咲く場所です。

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
台座の頭への登り道

硫黄岳山荘を過ぎると再び登り道になります。

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
ネットに囲まれたコマクサの群生地

ザレた道をしばらく登っていくと、両脇がネットで保護されたコマクサの群生地を通ります。

 

さらに進むと平らになった広場にでます。ここが「台座の頭」と呼ばれる場所です。

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
横岳山頂付近は梯子と鎖が連続する。

「台座の頭」を過ぎると、梯子と鎖場が続く岩場の道になります。

登山道は稜線の左側(東側)から巻くように付いており、梯子を登って稜線の右側(西側)の鎖の岩場を進みます。

 

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド

さらに岩場を登り、稜線を跨いで東側に出ると、再び梯子を登り、稜線上の鎖場を登ります。

稜線上に出るところは、冬期ルート用の梯子があり、それを過ぎた先の梯子から登ります。

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド

鎖場を登っていくと、横岳の山頂(奥ノ院)に到着します。

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
横岳山頂(奥ノ院)

横岳山頂は、岩場の狭い広場になっており、西側の絶壁には小同心や大同心を覗き見ることができます。

硫黄岳から横岳までコースタイムで約1時間ほどかかります。

横岳~赤岳

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
梯子の下りは気を付けたい。

横岳のピークを過ぎ、急な岩場の梯子を2箇所下ると、しばらく穏やかな稜線歩きになります。

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
三叉峰から延びる杣添尾根

少し下り、再び登り返した先に「三叉峰」と呼ばれるピークがあります。

稜線の東側からは杣添尾根の登山道が上がってきています。

 

杣添尾根の登山コースはこちら

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
登り用と下り用に分かれている梯子

緩やかな道を進んで行くと、岩場に2段に道が付けられ、その先に2本の梯子があります。ここは登り用と下り用に分けられています。

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
鎖場の下り

稜線上で道が二手に分かれる場所がありますが、その先で合流します。

稜線の道は「石尊峰」を東側から巻くように付けられており、その先で鎖場を西側に下ります。

 

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
鎖場の登り

稜線の西側を巻くように進んで行くと、鎖場を登って稜線上にでます。その先は日ノ岳というピークがある平らな広場になっています。

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
長い鎖場の下りが続く

広場からは一気に急な下り変わります。この辺りが今回の稜線上では最も急峻な岩場の道で、長い鎖場が続きます。

 

 

 

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド

長い鎖場を降りると右方向に少し登り、稜線上を辿っていきます。

 

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
まだまだ岩場の下りが続く

なおも梯子が連続する岩場の下りは続きます。

岩場を下りきると正面に赤岳を眺めながら進むようになります。

 

 

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
登りに転じたら地蔵の頭は近い

登り返していくと、「地蔵の頭」と呼ばれる小ピークにでます。

横岳~ここまで約1時間ほどです。

 

 

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
地蔵の頭

お地蔵さんが鎮座する「地蔵の頭」では、地蔵尾根の登山道が合流しています。

 

地蔵尾根コースはこちら

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
赤岳と赤岳展望荘

「地蔵の頭」からは今度は赤岳への登りに転じます。

稜線上には赤岳展望荘があり、その横を通り抜け、赤岳への本格的な登りが始まります。

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
赤岳への登り返しはキツイ!

赤茶けた急な岩の道をジグザグに上がっていきます。

途中から岩の斜面の長い鎖場を登るようになります。

 

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
赤岳北峰から南峰をのぞむ

「地蔵の頭」からコースタイムで40分ほど登ると赤岳の北峰に到着です。

赤岳は北峰と南峰の双耳峰で、北峰に赤岳頂上山荘が建ち、東側からは県界尾根の登山道が上がってきています。

 

南峰に進むと、祠や山頂の道標が立ち並んでいます。

 

八ヶ岳 縦走 登山 ガイド
赤岳山頂からの阿弥陀岳

赤岳山頂からは中岳を挟んで急峻な阿弥陀岳が近くにのぞめます。

 

赤岳の南峰から文三郎尾根の登山道を行者小屋へと下ります。

山頂付近から中岳分岐までは梯子や鎖のある岩場を下り、分岐からは長い階段状の道を下ります。行者小屋まで約80分ほどです。

文三郎尾根コースの詳細はこちら

<コースデータ>

コース:赤岳鉱泉~赤岩の頭~硫黄岳~台座の頭~横岳(奥ノ院)~三叉峰~地蔵の頭~赤岳~行者小屋

コースタイム:赤岳鉱泉~硫黄岳(2時間10分)、硫黄岳~赤岳(2時間40分)、赤岳~行者小屋(1時間20分)

標 高:赤岳鉱泉2210m、赤岳2899m、標高差689m