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乗鞍岳のおすすめ登山コース

乗鞍岳おすすめ登山コース

三本滝から登る乗鞍岳


乗鞍岳 登山 ガイド
三本滝 乗鞍高原にある日本の滝百選のひとつ。

乗鞍岳は北アルプスの南端に位置し、剣ヶ峰(標高3026m)を主峰とする数々の山と火山湖からなる山体の総称。標高2700mの畳平までシャトルバスが運行しており、手軽に登れる3000m峰として人気が高い。

今回紹介するのは、乗鞍高原のスキー場の上部にある三本滝駐車場から位ヶ原山荘、肩の小屋を経て剣ヶ峰を目指すコース。このコースのおすすめポイントは、

①コース途中にある三本滝の見学ができる。

②位ヶ原山荘に泊まれば、ゆっくり登れ高所にも順応できる。

③登山道はバスの通る道に沿っているのでなにかと安心。途中リタイアも可能。

④亜高山帯から高山帯への移り変わりが感じられ、ゆっくりと様々な高山植物を観察することができる。

⑤畳平からの登山では物足りないという方におすすめ。

帰路は、畳平からバスで戻れば楽に下山できる。

 

三本滝~位ヶ原山荘

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三本滝駐車場 ここまで車が入れる。レストハウスは休業中。

一般車両通行止めのゲートの手前にある三本滝駐車場が出発地点(標高は約1800m)。ここはバス停もあるので下山時に便利。トイレ有り。

 

駐車場の奥からまずは三本滝へ向かう。緩やかに下っていくと道は左に折れ、橋を渡り右に折れる。

 

 

乗鞍岳 登山 おすすめ コース

道なりに進んで行くと右は「乗鞍岳登山道」、直進は「三本滝」の道標がある。

 

進む道は右になるが、三本滝まで5分ほどなので寄り道して行こう。

 

三本滝は、日本の滝百選にも選ばれ、乗鞍高原にある「番所大滝」「善五郎の滝」とともに乗鞍三滝とも呼ばれている滝のひとつ。三つの沢が一つに合流する場所に、趣の異なる50-60mほどの三本の滝が落ちる珍しい場所で一見の価値がある。

乗鞍岳 登山 ガイド

滝の見物後は元に戻り分岐を「乗鞍登山道」方向に進む。少し下り橋を渡ると道は登り返していく。

 

ここから30分ほどは急な道を尾根までジグザグに登っていく。今回のコースで最もキツイところかもしれない。

乗鞍岳 登山 ガイド
乗鞍岳登山道 標高1900m付近

尾根に上がると乗鞍登山道と合流し、左方向に進む。

ここからは傾斜も緩み歩きやすくなる。

ダケカンバと針葉樹の交じる気持ちのいい道が続く。

乗鞍岳 トレッキング コース

しばらく行くと、一旦車道に出て右方向に車道を歩き、次に右にカーブするところで再び登山道に入る。

 

この車道には「摩利支天」というバス停がある。近くに石仏もあり、乗鞍岳の峰のひとつ摩利支天岳とも関係があると言われる場所。

乗鞍岳 登山 ガイド

登山道に入ると木道の道が続き、途中には携帯携帯トイレ専用BOXがある。

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針葉樹とダケカンバやアカミノイヌツゲなどの低木林が茂る木道の道が続く。

乗鞍岳 登山 ガイド

再び車道に出て左方向に進むとすぐに登山道にまた入る。ここからは車道をショートカットするように登山道がついていて、何度も車道に出ては登山道に入ることを繰り返すようになる。

 

標高も2150mを越え、この辺りから高山植物の花も多く見られるようになってくる。

乗鞍岳 トレッキング コース
冷泉小屋前

長い車道歩きの末に「冷泉小屋」といいうバス停に出合う。

この小屋はしばらく閉鎖されていたが、近年再生プロジェクトが計画・準備されている。

乗鞍岳 登山 ガイド
位ヶ原山荘前 標高2300m付近

冷泉小屋からも登山道は車道に出たり入ったりしながら進み、次のバス停のある位ヶ原山荘へと導かれる。

位ヶ原山荘の裏手から車道に出る。

山荘前には簡易トイレもある。

 

ここで一泊して翌日山頂を目指すのもいいでしょう。

位ヶ原山荘~肩ノ小屋

乗鞍岳 トレッキング コース

位ヶ原山荘の前を通り過ぎた先に右手から再び登山道に入る。

「この先、残雪や沢の増水で歩きづらくなる。不慣れな方は車道を」の注意書きがある。

 

乗鞍岳 登山 ガイド

すでに標高は2400mを越え、木々の背丈も低くなり見通しもよくなり、高山植物も豊富に見られるようになる。

 

道は岩がゴロゴロするようになり、沢型の道を歩くようになる。

 

 

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遅くまで雪渓が残る道

7月の中旬頃までは雪が残り、残雪を踏む場面もある。

乗鞍岳 登山 ガイド

大きな岩がゴロゴロする沢筋をとおり、再び車道にでる。

乗鞍岳 トレッキング コース
肩の小屋口 標高2600m付近

車道に出たら右に進み、車道をショートカットする道が右にあるが、ここは途中から背丈の高いハイマツ帯で歩き難いので、そのまま車道をとおり「肩の小屋口」まで進む。

肩の小屋口にはバス停と公衆トイレがある。

 

肩の小屋口から肩ノ小屋までも遅くまで雪渓が残ってるので注意。

乗鞍岳 登山 ガイド

車道の左側に登山道の入口があり、大雪渓脇を登っていく。標高2600mを越え、あたりはすっかり高山の雰囲気になる。

 

 

乗鞍岳 登山 ガイド

ガレ場を登っていくと、前方に肩ノ小屋が見えてくる。

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肩ノ小屋 標高2770m付近

標高2770m付近にある肩ノ小屋に到着。

ここからは目指す剣ヶ峰がよく見え、小屋の前にはベンチもありよい休憩場所である。

肩ノ小屋~剣ヶ峰山頂

乗鞍岳 登山 ガイド
肩ノ小屋から剣ヶ峰をのぞむ。右側に高く見えるのが手前にある朝日岳、その左奥に見えるのが乗鞍岳の最高峰「剣ヶ峰」
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森林限界のハイマツ帯のガレ場の道を通り剣ヶ峰を目指す。

 

剣ヶ峰の手前にある朝日岳を左から巻くように道がつけられている。

 

大きな岩が堆積する道をとおり、朝日岳と剣ヶ峰の鞍部に上がる。

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鞍部からはザレた道を上がり、いよいよ山頂も近い。

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鞍部からは右手眼下に火山湖のひとつである権現池がのぞめ、権現池を取り囲むように剣ヶ峰、大日岳、屏風岳、朝日岳と並ぶ。
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頂上小屋

山頂直下には売店のみの頂上小屋がある。

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剣ヶ峰山頂 標高3026m

頂上小屋の前をとおりひと登りすれば祠と鳥居のある剣ヶ峰山頂に到着する。

 

山頂からは眼下に権現池、乗鞍岳の全貌と遠く北アルプスの峰々をのぞむことができる。

剣ヶ峰山頂~畳平(畳平~剣ヶ峰)

乗鞍岳 登山 ガイド
肩ノ小屋の隣の敷地にある東大宇宙線研究所

今回は、下山は畳平からシャトルバスで戻る。

畳平から剣ヶ峰を目指す方も、この逆ルートを辿ることになるのでご参考に。

 

来た道を肩ノ小屋まで戻る。

上記の肩ノ小屋~剣ヶ峰を参照。

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畳平方向から剣ヶ峰方向を見た砂利道。肩ノ小屋から上がってきて振り返った様子。

肩の小屋に戻ったら、小屋の反対側にまわり、砂利道を右方向に進み、坂を上がって行く。

坂を上がりきると道は分岐し、左方面は摩利支天岳の山頂にあるコロナ観測所なので右方向に進む。

 

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砂利道を進んで行くと右手に「富士見岳入口」の道標がある。富士見岳の山頂まで10分程度。眺めがよいので時間に余裕があれば寄ってみよう!

 

 

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富士見岳への登り道から見下ろした不消ヶ池(きえずがいけ)

富士見岳に寄らずに直接畳平に向かう場合は、上の写真の砂利道を進み、不消ヶ池を過ぎたあたりの左側に砂利道から降りられる階段があり、そこを辿るとお花畑を経由して畳平のバスターミナルに出られる。

(左写真)富士見岳山頂付近から見下ろした畳平のバスターミナルと左側にはお花畑が広がる。(右写真)バスターミナルの右側には鶴ヶ池が見える。

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畳平 左の赤い屋根がバスターミナル

富士見岳山頂からは反対側に下りる道があり、下で富士見岳入口を分けた砂利道と合流し、畳平のバスターミナルに至る。

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畳平のバスターミナル お土産屋さんやレストラン、バスのチケット売場などがある。

畳平から剣ヶ峰を目指す場合は、この建物の左側の道を下り、お花畑に下りる。

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畳平からお花畑に下りる道。下って登り返していくと剣ヶ峰方向

お花畑におりたら、散策路を右に分け直進し、登り返していくと先ほどの富士見岳入口の先の砂利道に出られる。

<コースデータ>

コース:三本滝駐車場~(30分)三本滝~(30分)乗鞍岳登山道合流点~位ヶ原山荘(120分)~(90分)肩の小屋口~(30分)肩ノ小屋~(50分)剣ヶ峰

~(40分)肩ノ小屋~(40分)富士見岳経由畳平

富士見岳に寄らなければ畳平まで約30分

コースタイム:三本滝駐車場~位ヶ原山荘まで3時間、位ヶ原山荘~剣ヶ峰まで2時間50分 剣ヶ峰~畳平まで1時間20分

畳平~剣ヶ峰までは約1時間30分

標高差:三本滝駐車場(1800m)、位ヶ原山荘(2300m)、剣ヶ峰(3026m) 高低差1226m、畳平(2700m) 剣ヶ峰と畳平の高低差326m


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乗鞍岳のライチョウ