甲斐駒ヶ岳の登山コース
北沢峠からの周回コース
南アルプルス北部のピラミダルで花崗岩の白い山容が特徴的な日本百名山「甲斐駒ヶ岳」。今回紹介する登山コースは、甲斐駒ヶ岳に登る最もポピュラーなコースで、北沢峠を起点として双児山、駒津峰を経て山頂へ、下山は仙水峠から下る周回コース。北沢峠を拠点に仙丈ヶ岳と合わせて登られることも多い。
北沢峠~甲斐駒ヶ岳山頂
北沢峠のこもれび山荘の脇にある登山口に入ると、道はジグザグに登るようになり、長い樹林帯の道をひたすら登る。樹林帯の中の道のため展望もなく、登り始めから双児山までが本コースでは最も辛い印象がある。
約2時間ほど登り次第に展望も開けてきて双児山につく。
双子山のピークを過ぎると一旦下り、登り返していくと辺りは開け森林限界を越え、ハイマツ帯のガレた道を直登気味に登っていく。
道が右に折れ、傾斜が緩むと六合目にあたる駒津峰に到着。ここからは目指す甲斐駒ヶ岳の雄姿が大きくのぞめる。
駒津峰から先はアップダウンのある岩場となる。一端下り樹林帯に入り、クサリ場を二箇所下る。この辺りは慎重に下りたい。
六方石という大岩を右から巻き、岩場を登り返していくと再び森林限界を越えたあたりで分岐があり、山頂への直登ルートと巻き道ルートに分かれる。
直登ルートは破線ルートで上級者向き、本来のコースは巻き道ルートを辿ることになる。
巻き道ルートは花崗岩が風化した白い砂地を登り、しばらく登ると摩利支天への分岐を分ける。下山時に余裕があれば摩利支天を往復するのもいいだろう。(往復30-40分ほど)
所々岩がでている砂礫の急斜面を登っていくと山梨県側からの黒戸尾根の登山道を合わせ、甲斐駒山頂に導かれる。
山頂からは富士山、北岳、仙丈ヶ岳などが見渡せる。
駒津峰~仙水峠~北沢峠
下山は往路を駒津峰まで戻り、仙水峠を経由して北沢峠に戻るコースを辿る。
ザレた道と多少の岩場を栗沢山を正面に見ながら下っていく。やがて樹林帯に入り急な斜面を1時間ほど下る。
仙水峠は駒津峰と栗沢山の鞍部で、大きな岩が累々と堆積した場所。この風景は一見の価値がある。ここからは甲斐駒ヶ岳の摩利支天もよく見える。
仙水峠の分岐を右に折れ、岩の堆積した樹林の縁を通り降りて行く。
途中に仙水小屋があり水の補給が可能。
さらに下っていくと木橋を渡り、ロープ場を2箇所下り、その後は道幅が広がり林道のような道を沢沿いに下っていく。
長衛小屋、林道を経由して北沢峠へと戻る。
摩利支天信仰
摩利支天とは、甲斐駒ヶ岳の南面にあるドーム状の岩峰。そもそも摩利支天とは、仏教で陽炎を神格化したもので、自在の通力を持つ神として信仰を集めた。木曽駒ヶ岳や乗鞍岳にも摩利支天と呼ばれる場所がある。
甲斐駒ヶ岳の摩利支天のピークには、摩利支天像をはじめおびただしい数の石仏や鉾などが安置され、山頂とはまたひとあじ違う趣がり、甲斐駒の信仰の深さを感じさせるスポットだ。
<コースデータ>
コース:北沢峠~(120分)双児山~(50分)駒津峰~(90分)甲斐駒ヶ岳山頂~(60分)駒津峰~(60分)仙水峠~(70分)北沢峠
コースタイム:登り4時間20分 下り3時間10分
高低差:約930m
山小屋:こもれび山荘、長衛小屋、仙水小屋
水場:各小屋
アドバイス:
・駒津峰から往路を下山したほうが20分ほど短い。
・本コースの逆回りでも登りのコースタイムはほぼ同じ。双児山までの眺望のない長い樹林帯の登りより、仙水峠からの眺めなど逆回りの方が飽きないかもしれない。
・直登ルートは安易に入らないよう注意。
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