積雪期ならではの八ヶ岳・三ツ頭への登山コース
八ヶ岳高原ラインから登るアクセス便利な雪山コース
八ヶ岳の古くからの信仰の山、八ヶ岳南部にある権現岳。その前衛の山として古くから登られていた「三ツ頭」(標高2580m)。現在では天女山からの登山コースが一般的だが、積雪が多くなる3月~4月上旬には夏道を外れダイレクトに尾根を三ツ頭に詰め上げる小泉登山口からのコースが面白い。
中央道小淵沢ICからもほど近く、登山口は八ヶ岳高原ライン沿いにありアクセスもよく、手軽に雪山登山が楽しめる。
小泉登山口からの信仰の道を辿り三ツ頭へ
小泉登山口~三ツ頭山頂
小泉登山口は、小淵沢ICから清里方面に向かう八ヶ岳高原ライン沿いにある。冬期は林道が通行止めとなっているため、ゲートから歩くことになる。
林道を少し上がっていくと分岐し、右方向に進むとすぐに左側に登山道の入口がある。
登山道はしばらく緩やかな傾斜を登り、やがて観音平と美し森を繋ぐ八ヶ岳横断歩道に行き当たる。横断歩道を横切り直進していくと、次第に傾斜も増してくる。
登山道は雲海を経て視界の開けるヘリポートへと続く。
ヘリポートからは南アルプスの展望がよく、ベンチもあるのでよい休憩場所だ。
ヘリポートから積雪も多くなる。尾根上を登り、標高2230mの木戸口公園というピークにでる。ここからは展望はないが、その先へ進むと左側が開け、権現岳がのぞめる。
左側が開けた道が終わる所で夏道は尾根の右側に下っていくが、ここから登山道を外れ、積雪期は尾根上を進むことになる。このあたりからこのルートの積雪期ならではの醍醐味がはじまる。
積雪の多いこの時期は、尾根の右側に雪庇が張り出している(夏道は尾根の右下を通っている。)。右側に寄り過ぎないようあくまでも尾根上を忠実に辿っていく。
このあたりは、雪深い上越の山を感じさせる雰囲気のところだ。
尾根を辿っていくと、最後は天女山からの登山道(尾根)と合流し三ツ頭山頂に出る。
古くからの八ヶ岳信仰の道
赤岳の開山は江戸時代であるのに比べ、権現岳はそれより古く、八ヶ岳信仰の中核的な山であった。登路やピークには祠や石仏が点在している。権現岳に登る古道はいくつもあり、今回のルートもそのひとつである。
三ツ頭積雪期マップ
<コースデータ>
登山口へのアクセス:中央自動車道 小淵沢ICより約15分、公共交通機関では、JR小海線小泉駅から徒歩60分、JR中央本線小淵沢駅からタクシーで約20分
コース:小泉登山口~(50分)八ヶ岳横断歩道~(140分)木戸口公園~(90分)三ツ頭山頂~(190分)往路下山
コースタイム:登り約4時間40分、下り約3時間10分
高低差:小泉登山口(ゲート)標高1270m、三ツ頭山頂 標高2580m、高低差約1310m
山小屋:無し
水場:無し
アドバイス:
・ルートの上部ではルートファインディングが求められる。
・このコースは登山者が少ないので、降雪後はラッセルになることもある。
・雪山登山としては、3月~4月上旬がおすすめ。
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